【Blog】製品開発支援システムの仕組み vol.10

情報を「しらせる」 #3

3.作業の進捗を知らせる

PLMシステムを使った"しらせる"という仕掛けをいろいろご紹介していますが、知らせるというアクションを単体で実現してもあまり効果がなくはありません。”しらせる“という機能で重要なポイントは、業務フローの中で情報を共有し次の作業につなげるきっかけとして知らせるという機能を実現していくという点にあります。
業務の中に知らせる仕掛けを組み込むうえで次の4つのポイントに気をつけてシステム化の設計をしていくとよいでしょう。

1.データの状態
2.前工程の作業状況(進捗状況)を知らせる
3.自分の負荷状況を知らせる
4.作業の完了(成果物)を知らせる

1.データの状態
PLMシステムで管理しているデータには必ず作成開始や作成中及び完了といったデータの状態があります。この状態のことをステートやステータスと呼び、このステートの管理をデータのライフサイクル管理と呼びます。
設計業務では完成する途中の成果物を共有してもすぐに内容が変更される可能性があるので、次工程の作業者は多くの場合前工程の成果物が完成するのを受けて次の作業に活用していきます。
単純なステータスの管理であれば何も大がかりに"通知"なんて仕掛けを作る必要もないのですが、製品開発業務の場合、完成した成果物をレビューしたり差し戻したり、または変更した内容が他の成果物に影響することも多々あります。
このような繰り返し作業の多い製品開発業務では、レビュー結果や差し戻された内容、及び変更による影響などを即座に関係者に知らせることでスムーズな情報共有とコラボレーションを実現することが出来ます。

2.前工程の作業状況(進捗状況)を知らせる
異なる部門や離れた場所と共同で作業を進める時、相手の作業の進捗を確認するにはそれなりの時間と手間がかかります。
しかし、相手の作業進捗がわかると、自分の担当の作業の進め方の準備をしたり事前に検討を始めたるが可能となり、自分の作業を効率的に進めることが出来るようになります。あわせて作業のインプットとなる前工程のアウトプットを事前にレビューすることで、異なる役割の視点で前工程の成果物の内容にフィードバックすることもできます。
関連する作業の進捗を共有することは、製品開発期間の短縮だけでなく、品質向上にも大きく寄与します。
成果物のデータのライフサイクルを通してステータスを管理できるようにすることで、関係者と簡単に作業の進捗の共有ができます。

3.自分の負荷状況を知らせる
成果物の進捗を関係者に知らせ共有するだけでなく、自分の作業進捗や負荷状況を共有できるようにすることでプロジェクト全体の作業状況を共有できるようになり、最適なリソース配置や適切な計画の見直しをするベースが出来上がります。
PLMシステムにはプロジェクト管理やQMSといった設計管理を支援する機能が備わっているだけでなく、ユーザの管理もできるためモノの進捗管理だけでなくヒトの進捗管理も可能となり、モノとヒトの管理ができるようになることでカネとしても換算することが可能となり、製品開発業務のヒト・モノ・カネ管理を実現することが可能となります。

4.作業の完了(成果物)を知らせる
知らせる仕掛けはメールやワークフローを使った通知機能だけではありません。
プロジェクトで割り当てられた作業の成果物を登録したら、自動的にアクティビティの成果物として集約され関連づけられたり、設計変更を実施した場合、対象となるパーツに設計変更が行われていることを確認できたりできるようにすることも“しらせる”機能の一つで、このような機能を簡単に実現できるのもPLMシステムがデータとデータをリレーションで関連づけて管理するといった仕組みを持っているからです。
このようにデータを関連付けて登録しておくことで、過去に実施した内容を簡単確認することも可能となり、これら一連のデータは将来のノウハウとして蓄積され活用されていくことになります。

                                                                                                      written by 久次 昌彦