AppleのiPadやAmazonのKindleなど電子ブックリーダー機能を備えた次世代端末の話題がメディアに良く取り上げられています。
私もApple製品は大好きなのでiPadなどを欲しいなーと思っている一人です。
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先日、出版業界にいる知人と話していてあることに気づかされました。
私が「iPadなどが出てきたら紙の本なんてなくなるんじゃないの?」と振ったところ、「いやいや、それは一元的な物の見方しかしていませんね。確かに紙の本の部数は多少は減るかもしれませんが、淘汰されることはないと考えています。本は未来に残すべき文化の一つで、そのための手段として今でも紙に置き換わる媒体は存在しないからです。なぜなら情報端末にある電子書籍の場合、デバイスの技術が変わると読めなくなったりします。また技術の進歩に応じて小型化、高集積化されていく記録媒体フォーマットに、日々膨大に発生する情報を常に置き換えなければ電子データは将来読めなくなる可能性があります。ところが紙という媒体はパピルスという形で使われていた古代エジプトの時代から今まで同じ方式で情報を伝えることができているでしょ。これに置き換わる物は現在発明されていないですよね。」と回答が返ってきました。
なるほど、一理ありますね。
電子技術のテクノロジーは常に発達し、よりよいものが日々発明されています。しかし、多くの(多分ほとんどの)テクノロジーは企業がコントロールしているため、自社が優位に立つよう、競合企業に対する制限などを戦略的に行います。たとえ今、特定のテクノロジーが標準化され普及されたとしても、50年、100年の時間軸で見ると無くなっていく技術の一つになる可能性があります。
100年ぐらいで情報が読めなくなってしまうということは、孫やひ孫の代の人は私たちがBlogで残した日記を読むことができません。
これは電子書籍の世界だけでなく、PLMの世界にも言えることです。
現在主流のCADデータフォーマットやワープロや表計算のファイルフォーマットも50年先にも必ず読める保証はありません。
私か担当したPLMプロジェクトでも、30年後もシステムのデータが見れるように誓約書を書かされたこともあります。
CAD/CAM/CAEやPLMの世界も、設計業務をより効率化するためのテクノロジーが日々出てきていますが、記録フォーマットの標準化はそれほど進んでいません。
かつて業界を挙げてCALSなどの取り組みを推進していましたが、結局個々の企業の思惑に振り回されてしまいました。
記録フォーマットの問題は今後注目していかなければいけないテーマですね。
米国ではTwitterのつぶやきを紙の本と同様に、米議会図書館で保存していこうという動きが出てきましたが、どうなるのか注意してウオッチしていきたいと思います。
先の知人ももちろん電子ブックリーダーの登場は出版業界に大きなインパクトを与える危機感は持っていたことを付け加えておきます。
written by hisatsugu